腸を荒らす原因について、小麦(グルテン)、乳製品(カゼイン)、砂糖(果糖)と解説して来ました。これらは身近な食品として多くの人が口にしているものですから、これらがなぜ腸を荒らすのか、そのメカニズムを詳しく解説しました。

一方で、残る加工食品、加工肉(添加物・保存料)、ステロイド、抗生物質については、普通に考えて良くないとわかるものなので、簡単な解説に留めておきます。

まず、加工食品、加工肉(添加物・保存料)です。これらは出来るだけ長期間食品が腐らないようにしたり、見栄えを良くする(そうすることで企業の利益が増える)ために使われています。腐らないようにすると言うことは、殺菌をしっかりすると言うことですね。添加物・保存料と言えば聞こえはいいですが、要は菌を殺す薬剤と言うことです。

私たちの腸の健全性に欠かすことの出来ない腸内細菌も菌ですから、殺菌剤の影響を受けるのは当然ですね。大事な腸内細菌まで殺されてしまいます。また、余談ですが、加工食品はその添加物によって、ビタミンやミネラル等の栄養素も奪われてしまっていますから、栄養としての価値はほぼないと思った方が良いでしょう。エネルギー源としての価値がいくらかあるだけですね。

次に、抗生物質ですが、これもほぼ同じ理由です。抗生物質と言うのは、特定のウィルスや菌による感染症の特効薬として、多くの人命を救って来た薬品です。添加物と違うのは功の面もあると言うことです。しかし、一方でやはり罪の面もあります。菌を殺す作用があるのですから、これもやはり腸内細菌までやられてしまいます。

重篤な状態ならば摂るメリットも大きいのですが、そうでもない時に気安く摂取するのは避けた方が良いでしょう。抗生物質によって乳酸菌等の善玉菌がやられてしまうと、腸内で空席になったその場所へここぞとばかりに悪玉菌が勢力を伸ばします。こうして腸内環境が悪化していくわけです。

同じく薬品としてのステロイド。これはアトピー性皮膚炎などアレルギー疾患への治療薬として知られています。ステロイド自体は私たちの体内でも作られているホルモンですが、これを薬品として外部から取り込むことには功罪があります。功の部分については、アレルギー疾患への強力な作用によって短期的には症状が改善することです。

一方で、長期使用においては罪の部分が大きくなります。ステロイドは使用するほど段々効きが悪くなってくるので、処方量を増やさなければならなくなって来ます。そして、ステロイドの長期使用により、皮膚バリア機能が破壊されます。これによって、アレルゲンが侵入しやすくなりアレルギーが更に酷くなるという悪循環を招きます。皮膚バリア機能が破壊されると言うことは、腸粘膜もしかりです。さらに、ステロイドの長期使用によって、自身のステロイド分泌能力が衰えてしまいます。ステロイドを止めたときの強烈なリバウンドも大きな問題ですから、ステロイドの使用はかなり慎重にした方が良いでしょう。

さて、ここまでで腸を荒らす原因物質について一通り解説して来ました。ここにあげていないものでも、例えばアルコールやカフェインなども量や頻度によっては腸を荒らすことになりますから、お酒やコーヒーなどもほどほどにしておいた方がいいですね。(自分で書いておきながら、自分の耳が痛い…)

さて、次回からは腸内環境の改善アプローチについて解説していきたいと思います。