さて、小麦の次は乳製品です。特に乳製品に含まれているカゼインです。カゼインはグルテンと同じようにとても消化しにくいため、消化不良から腸を荒らす原因となります。きちんと消化しきれなかったものは腸の中で腐敗を起こしやすく、これが腸を荒らし、リーキーガットの原因にもなるということなのです。また、カゼインはホルモンに作用し、乳がんを引き起こす原因としても知られていますので、特に女性はあまり摂らない方が賢明でしょう。
私たちは学校給食を通して牛乳を飲む習慣を植え付けられてますし、タンパク源としてもいいとインプットされて来ました。でも、牛乳に含まれるタンパク質はその8割がカゼインで、残りがホエイです。とても消化吸収しにくいタンパク質が大半を占めているということです。食糧事情が悪かった昭和初期なら、タンパク源としての役割もそれなりにあったことでしょう。でも、現代においては牛乳以外にもっと良いタンパク源が豊富にあります。
牛乳を飲むとお腹を壊す、緩くなる人が一定数います。特に、日本人は欧米人と比べて酪農の歴史が浅いので、その割合は多いようです。牛乳でお腹を壊す原因は、カゼインではなくて乳糖です。牛乳に含まれる糖質です。乳糖を消化するには、ラクターゼ(乳糖消化酵素)が必要なのですが、乳幼児期を過ぎると多くの人がこの酵素を失います。その結果、牛乳を飲むとお腹の調子が悪くなるわけです。
これはどう言うことなんでしょう。乳幼児期は当然母乳が主たる栄養源なのでラクターゼは必要です。ですから乳幼児期は誰でもラクターゼを分泌出来るのです。でも、乳幼児期を過ぎればその必要は無くなりますね。だから、自らその分泌能力を失うということなのです。もうお乳は不要ですよと身体が言っているということです。大人になっても牛乳を飲むという行為は、そこに生理的な合理性はあまりないように思います。
じゃあなぜ世の中では牛乳を飲むことを良しとしている風潮があるの?という疑問も湧くでしょうね。先日、会社の健康セミナーでも某乳業会社の方が牛乳を飲みましょう!って宣伝してましたしね。ここには、酪農業やら乳製品企業やらJAやら、はたまた農水省やらと、いろいろと大人の事情が絡みます。利権というやつですが、ここではこれ以上踏み込むのはやめておきます。このあたりは皆さんご自身の判断にお任せします。カゼインの問題、牛乳の問題はこれぐらいにしておきましよう。
次は砂糖(果糖)です。果糖、特に異性化糖が代謝に及ぼす問題については、すでにかなりの文字数を使って過去に解説しました。実は果糖は代謝だけでなく、腸内環境にも悪い影響があります。
カンジタ菌というのを聞いたことはあるでしょうか。カビの一種なんですが、誰の腸内にも少なかれ生息している常在菌です。しかし、このカンジタが増殖するといろいろとまずいことが起こります。女性の膣などに生じるとカンジタ症などの病気を引き起こすことが知られています。そして、カンジタ菌は腸内で栄養ドロボーすることでも知られています。さらにまずいのは、カンジタ菌が仮根を伸ばし腸管を突き破り、リーキーガットを引き起こすことです。またしてもリーキーガットです。
では、どんな条件でカンジタが増殖するのでしょうか。実はカンジタの好物は果糖なのです。果糖をたくさん摂取することでカンジタが増殖するわけです。カンジタが増殖している人は結構多いようです。特に、果糖をたくさん摂る人は要注意です。果糖をたくさん摂ることで気付かぬ間にカンジタ菌が増殖し、リーキーガットを引き起こしているなんてこともあるわけです。果糖は自身の代謝システムの健全性のため、そして、健全な腸内環境のためにも摂るべきではありません。果物を食べる程度なら良いと思いますが、果糖ブドウ糖液糖などの異性化糖が大量に含まれるジュースやスポーツドリンクなどは徹底して避けた方が良いでしょう。
その3へつづく。