ここからは糖質のお話しです。ところで皆さん、炭水化物と糖質の違いはご存じですか。時として、同じように扱われるので混同しがちですね。炭水化物というのは、糖質と食物繊維が組み合わさったものです。炭水化物の中に糖質が含まれている、そんな関係です。
食物繊維は、五大栄養素には含まれず、一般には栄養素として扱われません。人間の消化酵素では消化出来ないものですからね。しかし、食物繊維は私たちの腸に共生している腸内細菌のエサになります。そして、腸内細菌は脂肪酸やビタミンなど、私たちに必要な栄養素を産生してくれます。このことから、食物繊維は第六の栄養素として扱われます。五大栄養素ならぬ六大栄養素です。食物繊維や腸内細菌については、また改めて解説しますので、ここでは糖質についてフォーカスしていきます。
さて、糖質です。一口に糖質と言っても様々な種類があり、以下のように分類されます。
①単糖類
②ニ糖類
③オリゴ糖(少糖類)
④多糖類
⑤糖アルコール
⑥合成甘味料
なにやらいろいろありますね。それぞれ、簡単に説明します。
①単糖類
単糖類とは、これ以上分解されない糖のことで、単糖類にはブドウ糖(グルコース)、果糖(フルクトース)などがあります。
②ニ糖類
ニ糖類は、単糖類が2個結合した糖のことです。ニ糖類には、乳糖(ラクトース)、麦芽糖(マルトース)、ショ糖(スクロース)などがあります。
いわゆる「砂糖」はショ糖です。ショ糖はブドウ糖と果糖がくっついたもので、ニ糖類に分類されます。砂糖の約半分は果糖です。果糖は私たちの身体にいろいろな問題を引き起こします。
③オリゴ糖
オリゴ糖は、3~10個の単糖が結合したものであり、少糖類とも呼ばれます。
そのほとんどは人間の消化酵素で分解されません。しかし、オリゴ糖は、腸内細菌の餌になりますから、お腹の調子を整える作用があります。食物繊維と同様ですね。
④多糖類
多糖類とは、単糖類が11個以上結合したものです。グリコーゲン、セルロース、デキストリン、デンプンなどがあります。このうち、消化吸収されないセルロースなどは食物繊維とも呼ばれます。
⑤糖アルコール
糖アルコールは自然界(植物中)にも存在する甘味料です。キシリトール、ソルビトール、マンニトール、エリスリトールなどの種類があります。工業的にはトウモロコシやイモの澱粉を原材料に製造されています。ただし、糖アルコールと言っても、お酒のアルコールとは違うものです。
⑥合成甘味料
合成甘味料は自然界には存在せず、科学的に合成された甘味料です。アスパルテーム、アセスルファムカリウム、ネオテーム、スクラロース、サッカリンなどです。
最近は「糖質オフ」という言葉も市民権を得つつあるので、糖質の摂取を意識してる人も多いかと思います。例えば、缶チューハイなどにも、糖質ゼロや糖類ゼロを謳った商品が出回ってますね。糖質ゼロと糖類ゼロ、この違いはわかりますか。
糖類とは①と②を指します。一方で、糖質とは①~⑥全て(食物繊維は除く)を指します。糖類ゼロと謳っていると、何となく糖質が全く入ってないように誤解しますが、厳密には③~⑥のいずれかの糖質は含まれています。もし、厳密な糖質制限をするならば、この違いには気をつけなければなりませんね。糖類ゼロは糖質ゼロではありませんからね。