もっとも大切なタンパク質のはなしをかなりの回数続けてきた訳ですが、そろそろビタミンのはなしに移りましょう。

ビタミンは微量栄養素とも言われており、タンパク質や脂質、糖質と比べると一桁も二桁も必要量が少ない栄養素です。ただし、その分、食品から摂取出来る栄養量も少ないため、不足しがちとなります。

皆さん、ビタミンって言葉は日常でも良く聞きますよね。改めて「ビタミンってなに?」と問われたらシンプルに答えられますか?

シンプルに言えば「代謝のための着火剤みたいなもの」でしょうか。

パーフェクトコーディングのところでも書いたように、人間の身体は日々壊しては作り直す作業が行われています。これを代謝と呼びます。食物の消化や生きるためのエネルギー産生、これらも代謝です。代謝には酵素が必要です。酵素はタンパク質から出来ています。ですから、なにをおいてもタンパク質が必要なのです。その重要性はさんざんタンパク質の記事で説きましたね。

でも、タンパク質だけがたっぷりあればいいってものではありません。タンパク質だけでは代謝は起こりません。酵素が反応を起こすためには補酵素や補因子が必要になります。

炭で火を起こす際に、炭に直接ライターを近づけてもなかなか火は起きませんが、着火剤があれば簡単に火が起きますよね。ビタミンはこの着火剤に相当するもので、これを補酵素と呼びます。ちなみに、補因子というのはミネラルを指します。

ということで、パーフェクトコーティングのためには、タンパク質だけでなくビタミンやミネラルも必要になるわけです。ビタミンは身体を作る材料そのものではないけれど、材料を機能させる(代謝を回す)ためには必須の栄養素なのです。

さて、ビタミンと一口に言っても、いろいろな種類がありますね。ビタミン個々の解説は後々の記事に譲るとして、ここでは大まかに層別してその特徴を見てみましょう。

ビタミンはまず水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンに分けられます。水溶性ビタミンは体内にとどめておけないので、常に充分量を摂る必要があります。逆に、たくさん摂っても過剰分は尿から排出されるので、基本的に過剰症の心配はありません。

一方、脂溶性ビタミンは体内にとどまるので、たくさん摂りすぎると過剰症の心配があります。サプリなどの摂取では一定の注意が必要になります。また、脂溶性ビタミンは字の如く、脂に溶ける性質を持っているので、脂質と併せて摂らないと思うように吸収されません。

水溶性ビタミンと脂溶性ビタミン、具体的には以下の通りです。

水溶性ビタミン
・ビタミンB群
・ビタミンC

脂溶性ビタミン
・ビタミンA
・ビタミンD
・ビタミンE
・ビタミンK

ビタミンをサプリから摂る場合には、合成ビタミンでも良いのか、はたまた天然ビタミンの方が良いのか、このあたりも気になることでしょう。ここにも水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンで違いがあります。

水溶性ビタミンは分子構造が比較的単純なので、合成でも天然のものと同様のものが作れます。私たちの身体は、水溶性ビタミンに関しては合成も天然も区別がつきません。ですから、価格が安い合成のもので十分でしょう。

一方、脂溶性ビタミンは分子構造が複雑なので、合成では天然のものと同様なものが作れません。ですから、本来のビタミンの効果をきちんと得るためには、脂溶性ビタミンは天然のものを選んだ方が良いでしょう。

このように、水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンにはいろいろな違いがあります。このようなことも頭に入れてビタミンを理解しましょう。