梅雨も明けて本格的な夏がやってきましたね。これから暑い日が続くと夏バテになる人も増えてくるのでしょうね。夏バテと言うと、暑さで食欲が無くなり、身体もダルくなって気力も落ちて来る感じでしょうか。私は夏バテしたことがないので、その感じはよくわからないのですが。。。

さて、そもそも夏バテとは身体の中でどんなことが起こっていて、上述のような症状になるのでしょうか。そして、どうしたら予防出来るのでしょうか。 よく言われるように「スタミナが付くものを食べて…」みたいな一般論ではなく、この部屋らしく身体の代謝から見て、その因果関係を掘り下げてみましょう。そして、その上で予防策を解説してみたいと思います。
まず最初に、予防策のキーワードを言ってしまえば、それは「ナトリウム」であり、もっと平たく言えば「塩」です。ナトリウム=塩ではありませんが、ナトリウムは塩にたくさん含まれるミネラルのことです。

どういうことか解説していきましょう。
私たちが食物を食べると、胃の中で胃酸が分泌されて食物が消化されますね。この胃酸の主成分は塩酸であり、塩酸は塩から作られます。要するに胃酸の主材料は塩なのです。しかし、夏は汗をたくさんかくので体内の塩分が失われがちになります。また、水分摂取量も増えます。よって、この両面から体内の塩分濃度が低くなりがちなのです。

実は、塩に含まれるナトリウムは私たちが活動するためのエネルギー(ATPと言う)を作りだす重要なミネラルなのです。したがって、まずは ATP を産生するためにナトリウムが 使われるので、ナトリウム濃度が下がると胃酸を作る方に十分に回されなくなります。すると、胃酸が十分に作られなくなり、胃酸の分泌が減ります。胃酸の分泌が減ると、食べ 物の消化能力が落ちます。すると、当然、食欲が減退します。食欲が落ちれば、体内の栄養条件が不十分になり、様々な代謝も落ちていきます。こうして、食欲がない、身体がダルい、気力が出ない、、、と夏バテ状態になるわけです。体温調節機能なども上手く働かなくなれば熱中症にもなりやすいわけです。 ここまでが、夏バテが起こる主なメカニズムです。

ここまで因果関係がわかれば予防策はもう簡単にわかりますね。そうです、スタミナが付くものを食べるのではなく、その前に塩をしっかり摂る(味噌汁や梅干しなど塩分の多いものを食べる)ことです。塩を摂って胃酸をしっかり作り、消化能力を上げる。スタミナが付くものを食べるのはそのあとです。

どうでしょうか、予防策がシンプルすぎて拍子抜けでしょうか。はたまた、塩なんかたくさん摂ったら高血圧になるから、医者に怒られるって心配になる人が多いでしょうか。
私たちの身体にとって、ナトリウムというミネラルは身近でありながらも、とても重要な役割を果たすミネラルなのです。なのに、高血圧になるから、塩分を控えましょうみたいなことばかり言われる。だから夏バテしちゃうんですね。

ただし、塩分の摂取にあたっては食塩(精製塩)ではなく、天然塩を摂るようにしましょう。食塩はそのほとんどがナトリウムです。ナトリウムが必要だからと言って、ナトリウムだけをたくさん摂るのはよろしくありません。特に、ナトリウムとカリウムはブラザーイオンと呼ばれ、相互に協調して働きます。ですから、カリウムやマグネシウムなども含む天然塩を摂るようにした方が良いわけです。

私は毎日お昼には味噌汁を必ず摂るようにしてますし、身体活動量も多いので、食事とは別に塩をそのまま摂ったりもしています。特に夏場は意識して塩をちょいちょい舐めながら水を飲むようにもしています。