人間の身体は水分を除けば約6割がタンパク質で出来ています。タンパク質は英語でプロテイン。その語源は古代ギリシャ語のプロテイオスから来ています。その意味は「もっとも大切なもの」。
タンパク質は人間の健康にとって最も重要な栄養素の一つ。だから常に意識して摂取する必要があります。
タンパク質は20種類のアミノ酸からできています。DNAにはこの20種類のアミノ酸の配列が記録されています。DNAに基づきアミノ酸をつないでいくとタンパク質ができ、タンパク質が集まって生命体が出来上がります。
筋肉や臓器はもとより、爪や髪の毛、皮膚などもタンパク質でできています。骨や歯も、その基本骨格はコラーゲンというタンパク質で作られています。
人間が生きるために行っている代謝にも、常にタンパク質は必要です。代謝に必要な酵素はほぼタンパク質が材料であり、代謝を調節するホルモンもまたタンパク質が材料です。タンパク質は体内で常に必要なものが作られ、また不要になったタンパク質は分解され、次のタンパク質合成に再利用されます。
食事で摂ったタンパク質は消化器官で消化され吸収されます。その消化器官もまたタンパク質でできています。タンパク質は胃と十二指腸および小腸で消化され、吸収されます。消化酵素は食べ物のタンパク質を分解する一方で、胃自体も分解してしまいます。
とはいえ胃は非常に細胞分裂の活発な組織なので、胃の表面が消化され溶けてしまっても、常に新しい細胞が補充されることで胃の機能が維持されています。胃の粘膜は3日で全ての組織が入れ替わります。しかし、長期にわたって低タンパクの食生活を続けると、胃粘膜が薄くなって消化酵素の分泌も低下してしまいます。
こうなると胃の消化能力が低下し、十分なタンパク質を消化吸収できなくなります。すると身体はは慢性的なタンパク質不足となって代謝が低下したり、神経伝達が上手くいかなくなります。
その結果、様々な慢性疾患が起こります。高血圧しかり、リウマチや膠原病、アレルギー、うつ病などの精神疾患もこれが原因で起こります。ですから、タンパク質をしっかり摂取することがもっとも大切なのです。